注意喚起 × 無工夫 = わからなさ | 逸脱と研鑽の公案

注意喚起 × 無工夫 = わからなさ

先の、国民保護HPなどの、この国に蔓延する、公共メッセージのゆるさが気になっている。

なにかキャッチフレーズを設けようとすれば、すぐに、「やさしい」「さわやか」「おもいやり」といった、
実際何を言っているのか?と問いつめられても答えづらい、焦点のゆるい立ち位置に常に居る。

何も言っていないことのほうが、はるかに多く、
ただ、安心感や「みんなのため」という、毒にも薬にもならないこれら。

我が国が誇る公共放送であるNHKもまた、
往々にして、気を抜くとすぐにわけがわからない画像を垂れ流してしまう。

NHK特集にある、緊張感、精錬感と比しても、
本当におなじ情報源なのかと目を疑ってしまう。

このゆるさとはりつめた感じの、ちょうど中間を行くのが、
真夜中にやっている、「明日を読む」という番組なのだが、
これについてはまた別の機会で。

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さて、今回とりあげるNHKのゆるさ、について。

NHKは海外居住者に向けて、TV放送をやっていたりする。
先般の滞英中にでくわした、
「海外安全情報」という番組に、こんな画面が登場。

NHKの不条理

「日本語を教えてくれ、英語を教えるから」という誘いに乗って、
何人かの邦人が暴行や脅迫などの被害にあったらしく、
その犯人がいくつもの名前を使っていて、
そんな名前の誘い主には気をつけろ、ということのようだ。

だが、この画面は何だ。
LSDの幻覚か、はたまた、ゴースト現象か。
よく言って、最盛期のセサミストリートである。

当然、日本人に限らずとも、欧州中の人々が、
ザッピングの過程でこの映像に出くわすことも、充分考えられる訳で、
「なんてヒップなんだろう、日本の公共放送は」と思われること必死である。

そう思われたいのか、はたまたただゆるんでいるだけなのか。
いずれにせよ、昨今のNHK不祥事と無縁ではないと思えるのだ。
はやくどっちにいくのか、決めた方がよい。