パリーロンドン | 逸脱と研鑽の公案

パリーロンドン

パリ2日目。今日は、朝から学校訪問の予定。

コンシェルジュに、学校までの行き方を昨晩たずねていた。
タクシーなら30分。電車なら1時間らしい。
料金が10倍違うので、電車だ!と告げたところ、
「乗りたけりゃ乗るがいい」とでもいわんばかりのリアクション・・・。

そうして朝を迎え、ホテル至近の電車駅へ。

駅ではフランスらしく、すべての切符販売機が故障しており、対面窓口にて切符購入。
「おまえ本当にそこまで電車でいくのか?」と確かめられる。
また、3回の乗り換えが必要といわれる。

なんなんだろう。前途多難な予感。

でも負けじと電車に乗り、最初の乗り換えを無事すませたとき気づく。
「乗り換えに異常に時間がかかる!!」

そうなんです。行き先が結構な僻地のため、あまり乗り換えの電車がないのです。
おまけに、遅刻上等システムのため連絡の悪さは二乗される。
結果何が起きるかというと、大幅な遅刻であります。

日本では、遅刻魔として常々皆様になじられておるのですが、
自ら望まないそれほど、呪わしいものはありません。

結局、なんと3時間かかりました。
確かに電車に乗っている時間は1時間ほどであったのですが。
すっかり予定の時間を過ぎ、途中まで「イギリス時間(1時間おそい)で考えていたよ」という
ジョークをかます予定でいたのも無駄。

このような生活体験の実践と蓄積の中で、
フランス人、広くはラテンなノリは再生産されるのだ、と痛感。
C'est la vie. の言葉の重みを感じました。

そうして目的駅に着く。
たいしてパリから遠くない(15kmくらい?)のですが、かなりの自然がひろがります。
風景は例えると、箱根の仙石原あたり。

異常気象の暑さの中、ダラダラと汗を流しながら、30分ほど歩いて学校につく。
アポイント先の女史を訪ね、もはやこれまで、と事情をすべてはなしたところ、
よくあることらしい。

美しい微笑みとともに、
「もしこの学校に来ることになったら、車を買うことをお勧めします」とのこと。
ああ、エレガント。

でもお願いだから、案内に電車での行き方しか書かないのは止めてください。

******************************************

一通りのことを終え、パリ北駅へ。
この道のりでも、いろいろラテンノリの被害にあったのですが、割愛。
で、ユーロスターに乗り、ロンドンへ。

私のフランス語がいかに錆び付いているかを痛感し、
そしてラテンの厳しさを痛感させられることが山ほどあったゆえ、
絶対英語圏への生還はとても安心できました。
道行きでは、すやすや寝てしまった。

短い間の二都物語はこうして終了。
明日は、朝ヒースローに向かい、帰国です。
あー、疲れた。

「あづい。あ、仲間」


写真は、パリ北駅の中。
華の街パリは、犬の街でもあります。たいがいの人は、犬を飼っているらしい。
通りへの脱糞の清掃が深刻な財政難の一因になるくらい。
そんなことだから、駅構内にもいっぱい犬がいました。

みな暑さにハァハァ言っています。
でも犬飼い先進地らしく、どの犬もよく躾けられておりこうさん。

さらっと、「あづいよね。」「ね。」と語り合っていた感じ。