ないこともない | 逸脱と研鑽の公案

ないこともない

今、成田である。
ヴァージンアトランティック航空のラウンジにて。

見渡すと、
遠くにはものすごく眉間にしわをよせているニグロの人、
間には、ちょびひげを生やし丸眼鏡がキュートな巨体男。
目の前では、とても若い白人の男性がNintendo DSに熱中している。

あ、今、やけにせわしない英語で、搭乗口に行け、といわれた。

みな、ため息をつきながら、ちょっと気合いを入れている。

このゆるい、めんどくさがりな、でも律儀で多彩な集団は、
とても英国的だとおもった。

多様ではなく、多彩である。


飛行機に乗る前だから、すこし怖い気持ちがする。
でも、このラウンジは、もうほぼ英国なのだ。
だから、何げないふりをして、タラップへ急ごう。